
バックオフィスBPOがうまくいかない会社には、いくつかの明確な共通点があります。
それは「外注したこと」そのものではなく、
外注の前後で行うべき設計や体制づくりが不十分なまま進めてしまっていることです。
実際、BPO失敗事例を見ていくと、
・丸投げによる混乱
・業務範囲の曖昧さ
・外注先を管理する役割の不在など
似たような問題が繰り返し発生しています。
「アウトソーシングはうまくいかないものだ」と感じている企業の多くは、同じ落とし穴にはまっています。しかし裏を返せば、その共通点を事前に理解しておけば、バックオフィス外注は十分に成果を出せる手段にもなり得ます。
本記事では、よくあるBPO失敗事例をもとに、導入がうまくいかない会社の共通ポイントと、失敗を避けるために押さえるべき考え方を整理します。

バックオフィスBPOとは何か
バックオフィスBPOとは、経理・人事・労務・総務・請求管理など、企業の内部業務を外部の専門会社に委託することを指します。単なる作業代行ではなく、業務プロセス全体を設計・改善しながら運用する点が特徴です。
しかし、「外注すれば自動的に楽になる」と考えてしまうと、思わぬ落とし穴にはまります。次章から、よくある失敗事例を具体的に見ていきましょう。
失敗事例① 丸投げしてしまった結果、現場が混乱
最も多いのが「外注=任せきり」という考え方です。
業務内容やルールを十分に整理しないまま委託した結果、以下のような問題が起こります。
・自社特有のルールが伝わっていない
・認識のズレによる修正依頼が頻発
・確認作業が増え、社内工数が減らない
このケースでは、アウトソーシングがうまくいかない原因は外注先ではなく、委託側の準備不足にあります。
BPOは「業務を手放す」行為ではなく、「業務を再設計する」取り組みであることを理解する必要があります。
失敗事例② 業務範囲を曖昧にしたまま契約してしまう
「どこまでが外注範囲なのか」を明確にしないまま契約すると、トラブルの原因になります。
・仕訳入力のみなのか
・月次決算まで含むのか
・税理士との連携は誰が行うのか
といった点を曖昧にしたまま進めると、「そこは対応外です」「それは別料金です」といった認識の食い違いが生じます。
バックオフィス外注の注意点として、業務範囲・責任範囲・対応スピードを事前に言語化することは欠かせません。
失敗事例③ 自社に合わないBPO会社を選んでしまう
価格や知名度だけで外注先を選び、結果的にミスマッチが起こるケースも多く見られます。
・成長フェーズの会社に対し、大企業向けの画一的な運用
・ITツール前提の業務設計だが、社内が対応できない
・コミュニケーションが遅く、スピード感が合わない
BPO会社にも得意分野や想定顧客があります。自社の規模、業界、業務レベルと合っているかを見極めなければ、アウトソーシングはうまくいきません。
失敗事例④ 社内に「外注を管理する人」がいない
意外と見落とされがちなのが、外注先をコントロールする役割の不在です。
BPO導入後も、
・成果物のチェック
・業務改善の相談
・定例ミーティングでの調整
といった管理業務は必要です。
これを誰も担わないと、「外注しているのにブラックボックス化している」状態になります。
BPO失敗事例の多くは、外注先ではなく「社内の体制」に原因があります。
失敗事例⑤ 目的が「コスト削減」だけになっている
BPO導入の目的をコスト削減だけに置くと、短期的な判断に偏りがちです。
・安さ重視で品質が下がる
・改善提案がなく、単なる作業代行になる
・結局やり直しでコスト増
本来のBPOは、業務品質の安定や属人化の解消、経営判断に集中できる環境づくりに価値があります。目的設定を誤ると、満足度の低い結果に終わってしまいます。

失敗を避けるために押さえるべきポイント
ここまでの事例を踏まえると、成功のために重要なのは次の点です。
1. 現状業務を整理し、課題を明確にする
2. 外注範囲と役割分担を具体的に定義する
3. 自社に合ったBPO会社を選定する
4. 社内に窓口・管理担当を置く
5. 中長期的な目的を設定する
これらを意識するだけでも、バックオフィス外注の失敗リスクは大きく下がります。
まとめ|BPOがうまくいかない会社に共通するポイント
ここまで見てきたBPO失敗事例から、バックオフィス外注がうまくいかない会社には、次のような共通点があることがわかります。
・外注すれば業務が楽になると考え、業務整理をせずに委託している
・委託範囲や責任分担を曖昧なまま契約している
・自社の規模や業務特性に合わないBPO会社を選んでいる
・外注先を管理・調整する社内担当者が決まっていない
・目的がコスト削減だけになり、改善視点が抜け落ちている
これらはいずれも、外注先の問題というより導入する側の設計不足によって起こるものです。
一度アウトソーシングで失敗した企業ほど、どこに課題があったのかを振り返ることで、次はより適切な形でBPOを活用できます。
バックオフィスBPOは、正しく設計すれば業務の安定や経営判断のスピード向上につながります。外注を検討する際は、「任せること」ではなく「どう使うか」という視点で、自社の体制と目的を改めて見直すことが重要です。